マニュエル・ルグリ Manuel LEGRIS

(ウィーン国立バレエ団 芸術監督)
Photo:Ashley Taylor

パリで生まれ、パリ・オペラ座のバレエ学校で学び、1980年にパリ・オペラ座・バレエに入団。86年にパリ・オペラ座のバレエ芸術監督ルドルフ・ヌレエフによってエトワールに任命される。クラシックやモダンのレパートリーで才能を発揮し、オペラ座のみならず、初演作品の数多くに参加し、また、世界有数のバレエ団にゲスト出演。自身のプロデュースによる公演も世界各地で度々開催、現代バレエ界最高の男性ダンサーとして活躍したが、09年5月、クランコ振付『オネーギン』を踊り、パリ・オペラ座バレエ団を引退。以来、パリ・オペラ座、ヨーロッパ、アジア、アメリカの劇場で客演。
10年9月以来、ウィーン国立バレエ団の芸術監督を務める。最初のシーズンには、全部で8つの初演作品を、ウィーン国立歌劇場で5作品、ウィーン・フォルクスオーパーでは3作品発表という快挙を成し遂げる。 ヌレエフ版『ドン・キホーテ』を皮切りにラコット『ラ・シルフィード』、ヌレエフ版『くるみ割り人形』、『白鳥の湖』、『ライモンダ』などのクラシックから、クランコ『オネーギン』、ノイマイヤー、プティの作品は勿論、若手振付家のコンテンポラリーなどを上演。ウィーン国立バレエ団を世界有数の実力のあるバレエ団に導いた。16年3月には自身初の全幕振付バレエ『海賊』を発表、この作品は18年5月のウィーン国立バレエ団日本公演でも上演、高く評価され、芸術監督、振付家としても比類なき才能を発揮している。
18年10月には、ミラノ・スカラ座と共作でルグリ版『シルヴィア」新作初演を予定。
ダンサーとしては芸術監督就任後はウィーンでは11年のウィーン国立歌劇場オープニングセレモニーに登場。その後は毎年6月のシーズン最後に開催されている「ヌレエフ ガラ」でのみ踊っている。ウィーン以外では世界各地のガラ公演などには、度々出演し、男性ダンサーの見本と称された、無二の才能は健在、世界の観客を魅了している。日本では、12、15年の世界バレエ・フェスティバル、10,11、17年の自身のグループ公演、12年、18年のウィーン国立バレエ団日本公演でも踊りを披露している。受賞歴としては、大阪バレエコンクール優勝(84年)、ニジンスキー賞(98年、00年世界最優秀ダンサー)、ブノワ賞(98年)、レオニード・マシン賞(00年)、Prix Positano(01年)ほか。 芸術文化勲章(シュヴァリエ93、オフィシエ98)、国家勲章(メリット勲章02)、レジオンドヌール勲章(06)、芸術文化勲章コマンドゥール(09)受勲。

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